【院長のコラム】夏の虫刺され~虫の種類を知って、上手に予防しましょう~

夏の虫刺され~虫の種類を知って、上手に予防しましょう~


小児科医から保護者の方へ
夏は虫刺されが増える季節です。
虫刺されといっても、虫によって皮膚への作用や予防方法が異なります。代表的な5種類を知っておくと、屋外での対策に役立ちます。

① 蚊

最も身近な虫刺されです。刺された直後から赤く腫れる場合もあれば、子どもでは翌日以降に大きく腫れたり、硬くなったりすることもあります。


予防
●長袖・長ズボンなどで皮膚の露出を減らす
●屋外では虫よけ剤を使用する
●水たまりなど、蚊が発生しやすい場所をできるだけ避ける

ディート・イカリジンが有効です。

② ダニ類(屋外のダニなど)

草むらや山などで、衣服や皮膚に付着して吸血するダニがいます。
特にマダニは、長時間皮膚に付着して吸血することがあり、感染症を媒介することもあります。

予防
●草むらでは長袖・長ズボンを着用する
●ズボンの裾を靴下に入れるなど、皮膚への侵入を防ぐ
●帰宅後に衣服や皮膚を確認する
●屋外活動では虫よけ剤を補助的に使用する

ディート・イカリジンがダニ類の忌避に役立つ場合がありますが、衣服で覆うことが基本です。
※皮膚に食い込んでいるマダニを無理に引き抜かず、医療機関に相談してください。

③ チャドクガ


ツバキ、サザンカなどの木に発生します。
幼虫(毛虫)に直接触れなくても、抜け落ちた毒針毛が皮膚に付着することで、強いかゆみを伴う赤いブツブツが広がることがあります。
予防
●ツバキ・サザンカなどの木に毛虫がいないか注意する
●毛虫を見つけても触らない
●発生している木の近くでは、長袖・長ズボンを着用する
●帰宅後は衣服を着替え、洗濯する

ディート・イカリジンでは予防できません。

④ ハチ

ハチは蚊などと違い、吸血するためではなく、身を守るために刺します。
一度刺されただけでも強く腫れることがあります。また、まれに全身的なアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こすことがあります。

予防
●ハチを見つけても手で払ったり、追いかけたりしない
●巣に近づかない
●黒っぽい服や強い香りのするものを避ける
●屋外では足元だけでなく、樹木や軒下にも注意する

ディート・イカリジンではハチを予防できません。
刺された後に、息苦しさ、喉の違和感、全身のじんましん、繰り返す嘔吐、ぐったりするなどの症状があれば、緊急の対応が必要です。

⑤ ブユ(ブヨ)


川や渓流、山間部などに多く、皮膚をかじるようにして吸血します。
刺された直後よりも、数時間~翌日に赤く大きく腫れ、強いかゆみが続くことがあります。子どもでは腫れがかなり大きくなることもあります。

予防
●川や山では長袖・長ズボンを着用する
●足首などの露出を減らす
●虫よけ剤を使用する

ディート・イカリジンが予防に役立ちます。

「虫よけ剤」はどの虫に効く?

代表的な有効成分にディートとイカリジンがあります。

ディート イカリジン
ブユ
ダニ類
ハチ × ×
チャドクガ × ×

※虫の種類や製品によって効果には違いがあります。製品の表示・用法を確認して使用してください。
大切なのは、「虫よけ剤を使えばすべての虫を防げる」というわけではないことです。
ハチやチャドクガには、「近づかない・触らない・皮膚を露出しない」ことが基本です。

子どもに虫よけ剤を使うときの注意

虫よけ剤は、子どもでも使用できますが、年齢や製品によって使用方法・回数などが異なります。
●必ず製品の表示を確認する
●顔や目、口の周囲には直接スプレーしない
●子どもの手に直接塗らず、大人の手に取ってから塗る
●傷や湿疹のあるところには使用しない
●使用後は手を洗う
●必要以上にたくさん塗らない

「成分」だけでなく、「その製品が何歳から使用できるか」を確認することが大切です。

最後に
虫刺されを完全に防ぐことは難しいものです。
①肌を露出しない

②虫よけ剤を適切に使う
③虫のいそうな場所では「触らない・近づかない」
④帰宅後に皮膚や衣服を確認する

この4つを組み合わせると、虫刺されのリスクをかなり減らすことができます。